2006年12月21日

尚巴志の野望(6)

1416年(永楽14)、中山の軍勢は北山へ侵攻します。軍は総勢三千、中山の浦添按司、越来按司、読谷山按司(護佐丸)、そして帰服した名護按司、羽地按司、国頭按司の率いる兵でなっていました。史書『中山世鑑』によると、尚巴志自ら出陣せず、浦添・越来・読谷山按司3名を大将として派遣しています。のちに中城按司として中山の重鎮となる護佐丸(ごさまる)は、この時の戦いを機に頭角を現してきたようです。

中山軍は3月11日に首里を出発し、軍船20隻あまりで海路、名護へ向かいます。名護の寒汀那港から陸路で進軍、ここで帰順した名護・羽地・国頭按司の軍と合流して一路、北山王の今帰仁グスクへ向かいます。

軍勢を率いる単位が按司単位であること、さらに対立の図式が≪中山≫対≪北山≫というより≪中山+北山の按司≫対≪今帰仁按司≫であることから、当時の三山の政体が強固な王国というものではなく、按司連合政権であったことがここでもうかがえます。つまりこの戦いは中山王国と北山王国との二国家間戦争というよりも、戦いの前に北山の按司連合が瓦解して中山がそれに介入するかたちで戦いが行なわれた、というほうが実態をより正確に表わしているのではないでしょうか。

迎え撃つ今帰仁按司(北山王)の攀安知は勇猛な武将のうえ、武将の平原(たいはら)や兵士は剛勇、さらに天然の要害に立つ今帰仁グスクは幾重にも石垣をめぐらした、鉄壁の守りを誇る大型グスクでした。グスクを囲んだ中山の大軍から、まず浦添按司が突撃しますが、北山軍はグスクから矢の雨を降らせ、浦添按司軍の過半数を戦死させてしまいます。その後も中山軍は何度も攻勢をかけるものの、グスクを落とすことができません。

史書では「城上より箭(や)を放つこと雨の如く」とあるのですが、今帰仁グスクの発掘調査では鉄の弾丸が発見されており、実際の戦闘ではおそらく銃砲などの火器も使用されたはずです。今帰仁グスクの攻城戦は砲音と硝煙の煙、雨のような矢のなかで行なわれた凄惨なものだったのではないでしょうか。

正攻法をあきらめた中山軍は、今帰仁グスク攻略の次の作戦を実行することになります。

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Posted by 株式会社ベンチャーリパブリック at 2007年03月24日 11:37